このたび3つの学術大会を合同で「メンタルヘルス関連三学会合同大会」として、2016年12月9日~11日、学術総合センター内一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)にて開催いたします。
今年は全国大学メンタルヘルス研究会(旧・大学精神衛生研究会)が学会に移行して最初の総会開催年にあたり、日本学校メンタルヘルス学会は第20回大会の記念の年になります。第32回日本精神衛生学会の会長に財団法人日本精神衛生会(1950年発足、前身は明治時代)の理事長牛島定信先生をお迎えすることができました。ご賛同頂いた各学会役員の皆さまと全国大学メンタルヘルス研究会の学会移行の気運を高め、ご支援頂いた一橋大学名誉教授の岡庭武先生に感謝申し上げる次第です。
今年はまた障害者差別禁止法施行、各事業場でのストレスチェック実施の年でもあります。皆さまが広く楽しく相互研鑽し、英知と経験を結集できればと思っております。初めての大企画ゆえ不具合もあろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
私たちはこの半世紀の間、時代とともに精神医学的病態が大きく変わってきたことを観てきたが、今世紀に入って再び変貌が急になったと、私は感じている。
この背後に科学技術の長足の進歩があることは確かだろう。機械が男性の肉体労働の仕事にとって代わった。加えて、コンピュータが作り出すビッグデータやITがもたらした地球規模の迅速な情報交換は社会の仕組みを大きく変えた。そして科学的思考(自由、平等、人権)もまた個人の心に浸透している。
この潮流は、男性以上に女性の生き方を大きく変えたように思う。女性の社会進出が当然のこととなり、昨今では待機児童問題で持ち切りである。このことは子どもの成育環境が大きく変わる、つまり家族構造に大きな変容をもたらしているといえる。幼児保育、学童保育、さらには塾が成育環境で大きな意味を持つようになった。子どもの人格のみならず、大人のそれもまた大きく変貌を遂げていると云わねばならないだろう。
こうした状況で、私たちメンタルヘルスにかかわる人間のあるべき姿とはどのようなものか。討論し、何らかの指針を得ることができればと願っている。